ブンベツ【完】



…どうやら感じてたらしい。
本当に負い目を感じてたらしい。

まさかアスカさんの口から謝罪の一言が聴けるなんて思ってもなかった。
謝ってほしいなんて思ってなかったし、あまりにもアスカさんが素直すぎてこっちがどもってしまう。

いつも意地悪ばっかり言うのに。
タンクトップとビーサン姿のくせに。


「ていうか海に来てんのにバカなのかお前。なんでそんな格好してんだ」


だから、一番突っ込まれたくないとこをついてくるのもこの人らしいと、結論付けなきゃやってられない。

「カイくんと来てんだろ?見せてやれよー」とお節介まで焼いてくるアスカさんは「空気読めねぇ女だなぁ」と悪口さえ言う始末。
先にずんずん歩いて行っちゃうのかと思ったけど歩幅を合わせて並んで歩いてくれるだけ、心のゆとりが多少なりともまだ残っているんだと悟る。


「海に来て水着にならねぇ彼女ってどうよ?萎えるだろ?萎えるに決まってんだよ!出すとこ出せよ!」

「…カイさんはそんな風に言ったりしない」

「言うわけねぇだろ!あの人はお前にそんなこと一生言わねぇだろうよ!」

「何でそんな怒ってるんですか?」


…置いてかれるのも時間の問題かもしれない。
あと30秒でも経ったら「勝手にしろ」と罵られるかもしれない。
罵られる意味が全然わからないけど。


「空気読めねぇからだよ!!何しに来てんだ!?女か!?お前それでも女か!?」