さっきとはまるで違う、いつもの態度にすり替わって「邪魔が入った」と言わんばかりの表情を私に向けるのは、暫く振りのアスカさんだった。
「あーそういう事か、じゃあお前がいるって事はカイくんも一緒だろ?」
「はい」
どうやら私たちが来る事を知らなかった様で、「ヨシノくんも黙ってるんなんてひでぇな」と溜息をついて、私をジッと険しい顔で見るとまた溜息をつかれた。
あ、そうか、私がいたら邪魔なのか。
きっと声をかけたんだろうその綺麗な女の人を、私がいたらお邪魔虫だと察する。
この場を去るべきは自分だと判断した私は「じゃあ」とよくわかんない流れでその場を去ろうとした時。
「あぁマジでごめん。ちょっと後ででもいいか?」
一瞬私に言われた事なのかと思ったけど、そうではないらしく。
アスカさんは女の人に申し訳なさそうに謝っていた。
「こいつちょっと迷子っぽいから連れてかなきゃいけねぇんだわ」
!?!?!?!
ちょっと!??!
迷子なんて一言も言ってないし、折角のチャンスを何を自分から棒に振ろうとしてるの!?
嫌がらせ!?もしかして嫌がらせなの!?
だけど女の人は器が広いのか、嫌な顔一つせず「じゃあ後で会おうね」と言って颯爽とその場を去って行った。
残された私とアスカさんはただ茫然とその人の後ろ姿を見ていた。
「いいケツしてんな」とセクハラを言うアスカさんに呆れながら溜息をついた。

