「ハナ」
「はい」
それに泳がなくたってカイさんといられる。
一人で海に浸かってるより、カイさんとバーベーキューしてる方がずっと楽しいに決まってる。
「俺もそっちの方がいい」
「海で遊ぶ方よりも?」
「あぁ。目の届くとこにあんたを置いときたいんだよ」
「迷ったりしませんよ?」
「じゃなくて、水着なんかでうろついて変な虫がついたらたまったもんじゃねぇって話だ」
そう言うとカイさんの大きな腕が伸びてきて、背中に回って引き寄せられる。
斜めに近づきながら伏し目がちなカイさんの瞳が私の口唇を捉え、それは自然に重なった。
生暖かいそれは重なると直ぐに離れて物足りなさを感じる。
あぁ私はいつからこんな欲深くなったんだろう。
目と鼻の先の距離で止まるカイさんの手は、優しく私の右耳に擦り入り髪を耳にかけて、手はそのまま私の毛を弄ぶ。、
「あんたは無防備すぎる。学校でもそうなのか?」
「そうって?」
「隙だらけってことだ」
するとスッとカイさんは私から視線を外し、私の後ろをジッと見つめて少し眉を寄せた。
そんな明から様な態度を見たことがない私は後ろに振り返ろうと体を捻ったその瞬間。
「ッひゃ」
本当に一瞬の出来事。
両手首を掴まれ体が後ろに捻られた瞬間、グイッと掴まれた手首に力を入れられそのまま窓に縫い付けれた。

