ブンベツ【完】




「門限が出来た時点でもう親は気づいてる。あんたに男が出来た、ってな」

「そ、そうかもしれないですけど」

「一回朝帰りさせたからな。殴られる覚悟はしとく」


そう言って口門を上げて冗談っぽく笑うカイさん。

私と違って全然余裕な感じを醸し出す始末。
これが”大人の余裕”というやつなんだろうか。


「なんでそんな余裕なんですか?経験あるんですか?」

「バカ言うなよ、こんな事すんの初めてだ」


まさかここでカイさんのそんな初体験をもらうなんて思いもしなかった。

思いがけない一言にポッと嬉しさが広がる。
私今絶対ニヤけてる。だって、口元ピクピクしてるのが自分でも分かるもの。


「お父さんもお母さんも、こんなに格好いい人が私の彼氏だなんて言ったらきっと吃驚して反応がないかもしれません」

「そりゃ楽しみだ」


と言ってカイさんは笑った。