ブンベツ【完】




「で、でも私着替えがありません」

「時間はいっぱいある。一回取りに行きゃいい」


どうやらもう本当に行く気らしい。
行く気というよりもう既に携帯を耳に当てながら部屋を出て行ったヨシノさんは、以外と突拍子もない人なんだと気づく。
でも確かに見ず知らずの高校生にいきなり「バイトしない?」って声をかけてくる時点で凄い人だったのかもしれない。


「アイツの”アレ”は昔からだ。どんなに言ってもこっちが疲れんだけだ」

「そうなん、ですか…」

「行きてくねぇならそう言えばいい。あんたがヤなら俺も行かねぇよ」

「いえ…行きたいです…。初めてなんです、バーベーキュー」



ただあまりの行動の展開に頭が付いていかないだけで…。
カイさんは「そうか」と少し口門を上げて笑うと私の頭をくしゃっと撫でた。