ブンベツ【完】



これからどんどん楽しい事が待っているに違いない。
夏が終わっても秋があって冬があって、楽しい思い出もどんどん増えて、一緒にいる事が当たり前になっていくんだと思う。
高校三年の最後の夏休み、多分一生忘れられない気がする。


「あ、カイさんお帰りなさい」


バーベーキューでウキウキしてると突如帰ってきたカイさんが現れた。
数時間前まで一緒にいたのに、なんだかずっと離れてた様な感じがして久々に会ったみたいな感覚に一瞬襲われる。

顔を見ただけさっき感じてた不安が嘘みたいに無くなっていて安心する自分がいた。
あぁよかった、帰ってきたって。
頭のどこかでカイさんが帰ってこないんじゃないかって思ってて、そんな事あるはずないのに何でかそう思った。


「時間平気なのか」


掛け時計を視線に流して急に聞いてきたカイさんが聞いてくる。

時刻はもう夜の7時半を過ぎた頃で、カイさんの言おうとしてる事がわからず首を傾げれば、「門限、あるんだろ?」の言葉で漸く理解した。
そうだ、いつもはもうあの小さい駅に向かう頃だ。
ここから駅に向かう時間と電車に乗って、最寄りから自宅まで着く時間を逆算するとそろそろ出なきゃならない。