「夏休みいつからだ?」
「え?」
「夏休みだ」
…なんで夏休み?
「えっと夏休みは、明後日からです…」
「じゃあ明後日から暇があるときでいい。飯を買いに来ながら朝9時にここに来い」
「ちょ、待っ」
「あんたは給料泥棒が嫌なんだろ?だったらそれ相応の仕事があれば不満はねぇな」
「なにを急に」
「利害の一致だ。あんたは飯を買って俺を起こしに来るっていう“仕事”がある」
何から何まで全部話を決めて、私の意見なんか無視で。
カイさんは意地悪だ。
私に反論する隙を与えないで勝手に仕事を決めて、私に拒否権がないと言う様に。
飲み干した缶ビールを流し台に置いて動けないでいる私の元に来ると、
「強情すぎだ」
大きな手で頭を撫でられた。
触れられた所がすごく熱かった。

