晴れてカイさんと付き合うことになって一週間が過ぎた。
全部が全部夢のまた夢みたいで地に足が付いていないような浮遊感に襲われ続けている。
一昨日も昨日も今日も明日も明後日もカイさんに口実を作らなくても会える権利を得た私は、もう一生分の幸福を手にしたんだ。
好きな人の好きな人が自分ってすごい奇跡の様で、もしかしたら長い夢を見てるんじゃないかって錯覚すらしてしまいそうになる。
もういつもドキドキする。
それは多分一生かかっても治ることはないんだろうし、あんな雲の上の人みたいなカイさんが私を “彼女” っていうポジションに置いてくれただけで既に失神ものだ。
もう本当に大好き。
会うたび会うたび好きが募っていくのが分かる。
だから、一週間たった今でも私はずっと有頂天のままだ。
『今年は例年を上回る猛暑となるでしょう。熱中症には十分気をつけてください』
事務的に言葉を並べるお昼の番組を聞き流す様な感じでカイさんはずっとテレビを見ている。
今日はお店が定休日らしくーーーーって、いつも定休日みたいな営業状況であるけども。
今日は月に一度の清廉潔白な休日で特に店番が必要じゃないけれど、昨日カイさんが『明日も来んだろ?』と決定事項になっていたそれに、反対するどころか嬉しくて首を縦に振った。

