「…ハナ」
「やだッ離して」
「……」
「離してッお願い…」
お願いだから…頼むから…。
もうこれ以上…私の心をかき乱さないで…。
だけど、子供のように泣いて暴れる私をカイさんは無理やり抱きかかえてそのまま扉まで上がっていく。
「やだ離して」と暴れる私をカイさんは「暴れるな」とも、さっきみたいに怒鳴り散らすこともなくただ黙っているだけだった。
感じるカイさんの体温と鼻を掠めるその香りが拍車をかけるように涙が溢れて止まらない。
こうして甘やかされてることが凄く嫌で、離れてほしくて、どんなに「お願い」って泣いて乞いてもカイさんは聞いてはくれなかった。
私はただただ泣き続けた。

