まるでスローモーションのようで、訳も分からず私から離れていくアスカさんに、思わず手を伸ばした。
だけどそれを遮るように、私とアスカさんの間に何かが割り込んできた。
一瞬でその何かにアスカさんを隠されてしまった。
まるで電光石火のようだ。
目の前を阻んだそれは私を覆うほど大きな影を作った。
何事かと思考がついていかない私は恐る恐る目の前を阻むそれを見上げる。
……あ、なんだろう。この懐かしい香り。
どうして急にこんな匂いが…?
嗅いだことのあるそれが鼻を掠めて記憶まで呼び起こそうとして、知っているその匂いの記憶を辿る。
「……ッ」
ーーーーーそうだ。
これは、この匂いは、
「…………………かい、さ……ん」
私の視界を埋めるその顔も、匂いも全て、私の知っているものだ。

