持ってた傘を探す時間もないしアスカさんに聞いても教えてくれないだろう。
もうこの際濡れたって良い。それで風邪を引いたって構わない。
ここでカイさんに会ってしまうより全然良い。
「おいバカ、お前がいなきゃ意味ねぇだろ。それにもうカイくんにはバレてんだよ」
私は分かってる。
「通してくださいッ!!」
通せんぼするアスカさんに苛立って思わず叫んだ。
近くにいる人が爆音の中私の怒声が聞こえたのか何事かとこっちを見てる。
そんなの今はどうでもいい。
私は分かってる。
会ったらきっと気持ちが溢れてしまうってことを。
私は分かってる。
「会いたくありませんッ何でそんな勝手なこと、」
あの人に会ったら全部思い出してしまうから。
ーーーーーーだから私は、この4年を無駄にしない為に逃げるしかないと思った。
これ以上アスカさんの勝手な行動に付き合うわけにはいかない。
会って話すことも会う意味もないって言っても、アスカさんには分からない。
私の意思は、私にしか分からない。
「もういい加減にーーーー」
時間もなく焦燥感に駆られる私はもう我慢の限界で、強行突破をしてやると思ったその時。
不意に目の前のアスカさんが背後から伸びてきた腕に肩を掴まれ、私と距離を取っていく。

