「バカ言ってんじゃねぇよ、よっぽどこのお嬢さんの方が賢そうだ。なぁ?」
グラス片手にアスカさんを押しのけて飛び出てきたその人は私の隣に座ってにっこり笑う。
少し目に覇気がなくて頬が少し赤く染まってるからきっと酔ってるんだろう。
その証拠にお酒の匂いが鼻を刺激する。
「別嬪だなお嬢さん、おじさんが何かプレゼントするよ〜?」
「はいはい、こいつに構わないで下サイ。そういえばさっき下ですげぇスタイルにいい女いましたよ、ロング金パのギャルが」
「てめぇそれを早く言えっての!」
途端にその人は立ち上がると持っていた飲みかけのグラスをアスカさんに押し付けてフロアに降りて行った。
見境なしに食らいつくその姿は正に、
「オオカミだな」
「オッサンの飲みかけなんて貰っても嬉しかねー」と文句を祟るアスカさんに思わず苦笑いな私。
私の隣にポケットから煙草を取り出して一本加えると、「あ、」と思いったって再びそれをしまおうとする。
この前もファミレスでそんな事があったっけ。
なんだか申し訳なくて「気にしないでいいですよ」と言うと、
「体に染み付いてんだよ」
「え?」
「お前の前で煙草吸うなって、ことが」
そのまま煙草は箱のに収まった。
「お前覚えてねぇだろ?」
「何をですか?」

