ブンベツ【完】



無理やり通る私たちに嫌な顔をする人もいれば、周りを忘れて全然気にしてない人もいたり。
だけどほぼ大半は私の格好に目が行くらしく、「なんでその格好?」と皆顔に書いてある。
凄い羞恥心に襲われた私はもう俯くしかなくて薄暗かった室内に感謝して、早くここから出たいと心炉の底から思った。


「なに飲むんだよ?」


人を掻き分けて奥に進むと段差のカウンター席があってドリンクを配布してるらしく、何を飲むか私の耳にアスカさんが近づいてやっと聞こえた。

ここで飲むのは大半お酒なんだろうけど、全然強くないし帰れなくなったら元もこうもないから「烏龍茶」と答えると不満そうな顔で「空気読めねぇなお前」と言い返された。


「おーアスカ、珍しいなお前が女連れなんてよ。普段は女引っ掛けに来てんのに」

「俺が女連れてると皆そんな感じっすか?」


一番奥のカウンターに私を座らせて隣でお酒を立ち飲みをしてるアスカさんに話しかけてくる人がさっきから絶えない。
相当お顔がお広いんだろうと、私は大人しく烏龍茶をチビチビ飲む。
皆打ち合わせしてるの?ってくらい、第一声が同じだからアスカさんはかなりのたらしなのかもしれない。


「下で専らの噂だ。”アスカの女の趣味が変わった”ってな」

「いや、俺こんな”バカ女”勘弁っすわ。ていうか俺のじゃないんで」