「りょーかい!ところで、このお兄さんハナちゃんの彼氏?」
とニヤニヤする杉崎くん。
一番突っ込んでほしくなかったそれに容赦なしに突っ込んでくる高校生が怖い。
興味津々な表情で冷やかす気があります、と顔に書いてある。
…若さって本当に怖い。
なんて答えようか迷ってると、先に口を開いたのはアスカさんの方で。
「ちげぇよ。俺はこのセンセイの昔付き合ってた男の知り合い」
「ッちょ!」
また更にとんでもない爆弾を投下してきた。
た、確かに合ってるけど生徒が相手なんだからもっとオブラートに包めないものなの!?
やっぱり根は変わらないらしい。
その後杉崎くん達は満足したように「またねー」と言ってお店を出て行った。
明日絶対何か言われる…。
「最近のコーコーセーってあんなもん?」
「あんなもんってなんですか?」
「教師相手にセクハラするってことだよ。エロ餓鬼だな」
「人の恋愛事情勝手にバラしたアスカさんに言われたくないです…」
「ばーかそっちじゃなくて、アイツが言った”すぐ分かった”っていうのはお前のから…いいわ、なんでもねぇ。お前が鈍感って忘れてたわ」
「意味がまったく…」
「カイくんのことまだ好き?」
…ッな…にを…。
話が接続されてないしすっかり油断してた。
まるで罠に嵌めるかのように不意を狙って、そのやり方はずるい…。

