喫煙席に来て今更そんなこと言われても意味がないような気がするけど、でもそうしてくれるのは有り難いから何も言わなかった。
「あ、あの、何か飲みますか?取ってきますよ」
「あー…じゃあコーラ頼むわ」
逃げるように慌てて席を立った私を不審な目で見ていた。
すぐに帰れそうになさそうだし、これから話が始まるのに喉がカラカラのままじゃ脱水になる。
注文通りアスカさんのコーラを注いで意を決して席に戻った。
「悪ぃな」
「いえ…」
なんか、別人みたい…。
私の知ってるアスカさんはこんな風な喋り方をしてないし、こんなに大人しい人じゃなかった…。
前はもっとヘラヘラしてたし子供みたいな感じの人だった。
雰囲気が落ち着いたって言うんだろうか。
4年も経てば人はこんなにも変わるんだと思わず感心してしまった。
「あ、お前今”老けたなこの人”って思ったろ?」
「思ってませんよ。ただ雰囲気が違うっていうか、なんか前より随分落ち着きましたね…?」
「今日疲れてんだよ。昨日オールして二日酔いのまま今日仕事だったんだよ」
「えッ!仕事してるんですか!?」
そこに凄い驚きを隠せない!
だって私ずっとアスカさんは、
「お前まさか俺をニートだと思ってたんじゃねぇだろうなァ?」
「……勝手な偏見で申し訳ないです……」
だってずっと暇そうなイメージがあったからてっきり本業はそっちだとばかり…。

