突然人の間からにょきっと出てきた手が私の腕を徐に掴んだ。 吃驚して声も上げられず、腕を掴む手を辿るとそこにいたのは、 「…ハナ、お前なにして…」 4年ぶりの彼で。 横断歩道のど真ん中で歩く人の道を阻む事も忘れ、ただ目の前の人から傾注する私の声は雑踏に掻き消された。 「…………アスカ、さん……」