ブンベツ【完】



テレビを見ながらカイさんとお昼を食べて、午後からは妄想大会。
これでも一応受験生なのに今年の夏もグータラになるんだろう。

でもオープンキャンパスには行っとかなきゃ。
行きたい学校は決まってるけど先生が何度も通った方がいいと豪語してたから行くしかない。

花火大会はいつだろう。
今年こそは浴衣着たい。
確か箪笥に入ってたと思うんだけどちゃんあるのか心配になって来た。

なんて夏休みがなんだかんだ言って楽しみらしい私は、帰ったら浴衣を探し出そうと決めた。


そうしてる間に時間は着々と進み日が傾いた頃、そろそろお店を閉じなきゃいけない時間になってきた。

今日もお客は来なかった。
暑いから皆外に出たがらない、というカイさんの言葉を信じなきゃやってられない経営状況だ。

ここ2週間と働いてきたけどお客さんの顔を1人として見たことない。

ヨシノさんはカイさんの仏頂面に問題があってお客さんが来ないんだと言ってたけど、私が店番をやって経営上昇に貢献したことはない。

そう考えると単なる給料泥棒に思えてきた。