*悠斗side
謹慎が明けて登校初日-
謹慎になってから学校から帰ってくる
莉奈姉に様子を聞いていたが、
無理をしているように見えていた
朝早くに学校に着き、3年C組に向かった
ちょうど教室から出てきた綺麗な顔立ちの先輩に
声をかけ、蒼先輩を呼んでもらった
『蒼~!!イケメンくんが呼んでる~!』
賑わっていた集団が静まり中心から
蒼先輩が顔を出してこちらに向かってきた
「殴ったりしてすみませんでした」
俺は深く頭を下げ、殴られる覚悟でいた
しかし俺の頭上から聞こえたのは
先輩の意外な弱々しい言葉だった
『あいつのこと幸せにしてあげてほしい
俺、もう嫌われちゃってるし、
きっと彼氏とも思ってくれてないから
俺なんかが言う権利ないんだけど
あいつのこと俺すっげぇ好きなんだよ
でもどうやったら幸せにして
あげられるのかわからなくて
恥ずかしい話だけど俺の気持ちだけを
押しつけてたんだろうな
だから莉奈のこと幸せにしてあげてほしい』
俺はとても驚いていた
