*悠斗side





隼汰が出ていった後、莉奈姉が俺を引っ張る。





『悠斗…ごめんね?


 殴った手痛くない?





 ごめんね…』







心配そうに手を擦る莉奈姉






「俺は大丈夫だよ


 でも間に合わなくてごめんな?


 何かされた?」






『ううん…


 ねぇ悠斗…』








布団に隙間を空けて腕を広げる莉奈姉






これは中に入ってほしいってことか?






俺は静かに中に入る。






ぎゅっとしがみつく莉奈姉は


ゆっくり話しはじめた。







『別れを切り出したの…



 そしたら…

 そしたら…ね?…』







「もういいよ?わかったから。


 先輩言ってたことに誤解あったよね


 莉奈姉はあの先輩に一途だったし


 ちゃんと好きだったよね


 怖かったね。


 すぐに助けてあげれなくてごめんね」





俺はそう言いながら莉奈姉を優しく


しっかりと抱き締めた






『ぎゅーってされると落ち着くね』






顔を見上げて潤んだ目でこっちを見ながら

そう呟いた莉奈姉に自分を落ち着かせた