「でもその2ヶ月のおかげで恐怖…そんな睨まないでよ。えーと、拒否反応だっけ?治ったらそれはそれでいいんじゃない?」




治るわけがない。




「まあでも西本さんが、男が怖くて俺のカノジョになれないっていうんなら、仕方ないかぁ」




ムカッ。





「ゴキブリ以下で雑草並みの俺のカノジョにすら怖くてなれないなんてなあ」




ムカムカッ。





「でもまあしょうがないか、恐怖症だもんね…あ、拒否反応だったっけ?あれ?んー、でも別にどっちでも同じか」




ぶっつん


今まで生きてきた中で、これほどまでの屈辱を覚えたことはないだろう。


私は声を大にして言った。



「ふざけんな!怖いわけないじゃん!」

「えー、でも実際カノジョになれないんだからさあ」

「そのくらいできるわ!!」




胸ぐらを掴み、唇を噛みしめる。


男が怖いんじゃない。


嫌いなだけだ。




「じゃあ俺のカノジョになってみる?」

「受けて立つ!!!!」




後先考えることなくその場の勢いで即答した私は、目の前の男が口角を上げて笑っていることに気づかなかった。