チュンチュン…
鳥のなく声
ドタバタとママが階段を登る音
「リカコ〜、起きなさい〜」
勢いよく空いたドアからママが顔を出す
『おはよう』
そういい体をベットから起こす
今日は待ちに待った高校の入学式
私、トミタリカコは今年高校生になる
親友のナカシマユメノと共に四季学園に入学するのだ
「リカコ、ご飯できてるよ」
そういいママが部屋を出る
私は何も言わずにリビングへ階段を降りる。
私の家はそこそこ大きい一軒家
パパは消防士、ママは主婦
3人家族にしては大きいお家
小さい時に、
『ママ〜、妹が欲しいよ〜』
なんて言ったみたいだけど
「ごめんねリカコ。ママはリカコだけで充分よ」
なんていって話を流されたこともあった
さみしいなんて思わない
ママもパパも充分すぎるくらい私に愛情を注いでくれるから。
いつものように、
あたたかいトーストを食べ、
適当にテレビをつける
テレビでは
「今日は公立高校の入学式が多いですねっ!新高校生のみなさん、おめでとうございます」
なんて言ってる
「リカコ急がないとユメノとユメノママ来ちゃうでしょ!準備しなさい?」
はっと我に返るともう8時半
ユメノがくるのは9時
『えぇ〜ママ起こすの遅いよ〜』
なんて言いながら本当に焦りながら準備をする
茶色に染められた髪
髪は肩のしたまであるセミロング
フワフワさらさらみんなが憧れるような髪質
コテで器用に髪の毛を巻く
くるんくるんと髪の毛が楽しそうに動く
ぱっちり大きな二重の目
薄ピンクのホッペにほんのり赤い唇
自分のことを可愛いと思うことはないが
モテることはわかる
中学の時も何度も告白はされていた
一度も付き合うなんてしなかったけどね

