「白雪姫って、誰が主役なんだろうね。」


帰り際、蒼衣くんにそう尋ねると、

「はっ、まぁ王子様は俺に決定だな。」


というナルシスト発言が帰ってきた。

「はぁ? じゃ、私は白雪姫に決定ね。」

「へぇー、そんなに俺と劇したいんだ?」




はい!?


いや、違うよ!?

違わなくもないけど………
じゃなくて!

「違うから!!」

「あー、はいはい。
怒るなよ、姫。」

「…」


"姫"と言われただけで嬉しくなってしまう私は、よほどの重症だろうか。