偽恋物語




「瑶華!おきてーー!」



「ん…」



あ……私、昨日あのまま寝ちゃったんだ。



「はぁ〜い、今おきるー」


重い体を起こして、リビングに下りると、お母さんがわたわたと家の中を走り回っていた。



「なにしてんの、お母さん。」

「あ!瑶華〜
あのイケメンくんは誰よ!?」


イケメンくん?


誰だ、それ。


「家の前で待ってるわよ?
いつのまに彼氏つくったのよ〜」

「え、彼氏!?」


もしかして…それって………






「いってきます」

「おっせーよ、どれだけ待たせりゃ気が済むんだよ」




やっぱり…

私が家を出ると、家の前に不機嫌そうな顔をした蒼衣くんが待っていた。