偽恋物語





「ったく!このバカ!
なんで叫んだりできねぇんだよ!」




あの後、蒼衣くんがあの二人をボコボコに殴って、男たちは泣ながら去っていった。




「だって………」

「お前、俺がいなかったらあのまま拉致られてたぞ!?」

「…ありがとう。」



でも、そんな怒らなくても………
ほんとに怖かったんだから。


今でも、微かに腕が震えてる。

私ってこんなに怖がりだっけ?


「はぁ…とにかく、無事で良かった。」



ニコッと笑う蒼衣くんに胸がキュンと音をたてた。