「はぁ〜、疲れたぁ!」
瑶華が顔をマッサージしながら俺の方を少し睨む。
「なんだよ、睨むなよ。」
「睨んでないし!
いつまで、恋人のフリをしなきゃいけないのよ〜」
「そりゃあ、瑶華が加賀谷くんに惚れるまででしょ?」
杉本がそう言うと、瑶華は顔を赤くしながら、
「惚れるまでって、私は絶対に惚れないからね!」
なんて言って、拗ねたようにそっぽを向いた。
一体、誰に対して怒っているのか。
それに、最近、一緒にいてわかったこと。
瑶華は、普通の性格でも天然らしい。
自分では気づいてないだろうけどな〜
あと、照れやすい。
だからからかってても飽きない。
「まぁまぁ、瑶華ちゃん。
おかげで、蒼衣に告白するギャルっ子たちが減ったんだし?」
確かに、瑶華と恋人のフリを続けてから、告白の回数がすごく減った。
ある意味、楽だ。
「いや、蒼衣くんがどうなろうが私にはどーでもいい話なんだけど…!
もう、ほんと疲れるのよ!」
瑶華は杉本に小声で言ってるようだけど、おーい、丸聞こえですよ〜。