「…あぁ、そういえば…俺らのクラス
に、水澤 愛梨って奴いんじゃん?」






「誰だよ、それ。」




クラスの女子の名前なんか覚えてねぇし。





「そいつが、放課後に裏庭で待ってるってよ」






「はぁ?なんで俺に直接、言わねぇんだよそいつ」






「さぁな〜照れてんじゃねぇの?
お前ってさぁ、前にも増して女嫌いになったんじゃねぇの?」





「当たり前だろ」






前に通ってた学校でも、キャアキャア
煩いし、今の学校でも全く変わらねぇ。






すこし微笑んだだけで、自分の事が好きなんだと勘違いし、金魚のフンみたいに
ついて来るような女は大嫌いだ。









「………あ、あいつは違うかも。」





「あいつ?」




「平山 瑶華って奴」






あいつは、俺の顔を見ると、叫ぶなんてこともせずに、むしろめちゃくちゃ
嫌そうな顔してたしな。





それに、あいつの笑い方も俺と似ている。