「今日から、このクラスになります。
加賀谷 蒼衣です。 宜しく」

イケメン君がニッコリ微笑んだ。

「キャァァァァ!」

本日二度目の"キャァァァァ!"だね。

でも、よく見るとイケメン君………
目が笑っていなかったーーー


「(…偽物っぽい笑顔だね…
私と同じじゃん………)」

「えっとー、加賀谷の席は〜っと、」

先生が教室中をぐるっと見渡す。

え………私、やばくない?
私の座ってる席は、窓側の一番後ろで
隣の人がいない。ってことは………


「おっ、平山の隣が空いてるな。
加賀谷、あそこの席に座っとけ」

「はい。」


スタスタ イケメン君が、こっちに歩いてくる。


くそぉぉぉぉ!はげジジイめ………
私は、この一人の空間を味わっていたというのに………。

「宜しくね、平山さん」

ニッコリ。偽物の笑顔を私に向ける。

「うん。宜しくね!イケ……加賀谷君。」


この時の私の笑顔は、だいぶ引きつっていただろう。