「あのね、劇のことなんだけど…」


あー、主役をやれってことね。


「うん、劇がどうしたの?」


「瑶華ちゃん、演技とかもすっごい上手そうだし…」


当たり前じゃん。

「いや、そんなことは…」


「だからね、…その、」



チッ… うっとおしい奴。


さっさと言えばいいのに……。


私が主役をやればいいんでしょ?


「魔女役になってほしいの!!」


ガバっと頭を下げるクラスメイトを、私は呆然と見下ろした。