一斗は静かに話し始めた。


「理貴先輩たちと兄貴は中学の同級生で、俺も当時付き合ってた彼女も含め、皆で遊んでた
兄貴は佳奈先輩が好きで
理貴先輩も、それを知ってた
そんな中で佳奈先輩は理貴先輩と付き合い始めたんだ
次第に3人はギクシャクして、もう家にも来なくなった」


「卒業式間近のある日
俺は佳奈先輩に呼び出され告白されたんだ
理貴先輩と付き合ったのは
俺を忘れるためって
だけど俺には何もしてやれない
泣くんだ今日だけは一緒に居てって
ご飯も食べなくて痩せ細ってリスカの痕もくっきり見えて
俺は今にも壊れそうな佳奈先輩を放っとけなかった
だから…」

“だから…?"

「俺は佳奈先輩を抱いた」

美咲は口に手をあて下を向いた。