噴水の見えるベンチに座り
一斗は美咲を待った
ほどなく現れた美咲は
無言のまま隣に腰掛け
一斗の顔を見上げた。


「一斗」

「美咲に大事な話をするから
酷い事があったばかりなのにゴメン」

「…」

「今日、話さないといけない気がする」



「俺の話しを聞いた後、美咲の判断で全て決めてくれ」

“それは…!?"

「やだ、離れたくないよ」

一斗の腕を掴み揺さぶった
一斗は両手で美咲の手を握り


「いいから最後まで聞いてくれ…なっ?」

「…わかった」

一斗は、ほんの少しだけ笑みを浮かべ
美咲の頭を撫で頷いた。