「美咲!」

一斗は大きな声で叫び走り寄った。


「美咲、ごめんな俺どうかしてた」


一斗は美咲を抱きしめた。

「一斗…探してくれてありがとう、でもね私もう
ダメみたい」

美咲は一斗の手から
ゆっくり離れた。

「何がダメなんだ」

「私、一斗のこと何も知らないし聞こうともしなかった
目の前にある幸せだけを信じたかったから
でも愛するってことは
それだけじゃないよね
お互いの全てを見ないといけない
今の私は、全てを受け止める自信がない」


「今から全て話すよ」

「ううん、何も知らない方が良い時だってある
私に少し時間をくれないかな?」

美咲は無理矢理、笑ってみせた。

「何言ってんだよ
俺は美咲が居ないと…」

「一斗なら大丈夫、そして私も
また明日から笑って話せる友達になれる」

「友達って何だよ別れるつもりなのか?」

「…今日は、もう帰るね」

「美咲…俺達もう…ダメか?」

一斗は俯き美咲を見ることができなかった。

「一斗は強いから大丈夫…また明日ね」

美咲は立ち上がり一斗を振りきるように
走って公園を出た。

一斗は身体を震わせ泣いた。


“俺は強くない…美咲ごめん"