その男の子は車の窓ガラスを半分開けて

「じゃ気をつけて!!」

と笑顔で手を振る。

車はそのまま駅方面へと去って行ってしまった。



美咲は突然の出来事に暫し唖然としてしまい

ほんの一瞬、頭が真っ白になった。


“あ!帰らなきゃ…"


美咲は気を取り直し自宅方向に、ゆっくりと歩き出した。

傘の先から溢れ落ちる雫を見つめながら、


“あの2人美男美女でお似合いだったな…
でも何処で見たんだっけ

ってゆうか何で私の名前知ってんだろ?
あれ!?もしかして同中だったかな?
…いや、ちがうな!!

んー!…気になるー"



色んなことを考えながら歩き続けた。