翔が一斗の肩を揺さぶり

「お前何言ってんの!?」

一斗は翔の手を振りほどいた。

「早く美咲連れてけ」

「何でだよ」

美咲は耐えられなくなり
リビングを飛び出した。


「お前追いかけないのかよ」

一斗は奈緒と目を合わせることもなく…

「奈緒、美咲を頼む」

奈緒は一斗を睨み

「何があったか知らないけど、一斗酷いよ、美咲だって何も知らないのにいきなり突き放してさ」

「…」

「これ以上、私は美咲を泣かせたくないよ…!
桃花のこと聞いたでしょ?
一斗だってそう思ったはずたよ
私、美咲の涙は、もう見たくないよ」

「美咲…」

一斗は美咲が飛び出したドアを見つめた。


「私は追いかけない
一斗が行かないと意味がない」

「…」


一斗は家を飛び出した。