奈緒たちと合流して
三浦家に向かう。


「奈緒も美咲ちゃんも初めてだよな、ビックリすんなよ」

翔が言うと

「なんで、なんで?」

奈緒が翔の顔を見上げる。


「翔!お前な、…おい美咲どうした?」

「あっ!」


道を曲がった時に美咲の足がピタッと止まった。


美咲の視線の先には大きな門構えの家があり
そこから泣きながら飛び出してくる女の子の姿…
そして、それを後ろから追いかける男の子がいた。


「理貴(リキ)先輩…」


2人の姿はあっと言う間に見えなくなった。


「理貴先輩…一斗の家に居たんだ」

翔が呟いた。


真っ直ぐ前を見る一斗は
強ばった顔に変わった。

「一斗?」

美咲が声を掛けるが
一斗は何も答えず早足に歩き出した。