河原の土手に着いた頃には辺りはすっかり暗くなり始めていた。



一斗は美咲の頬に手を添え
顔を近づけ瞳を見つめた。


一斗は一呼吸おいてから静かに優しく美咲に語りかけた。


「美咲、俺はお前が好きだ
俺と付き合わないか?」

突然の告白だった。

「一斗?」


「急にごめん…びっくりするよな、でも俺は本気だから
花火が終わるまでに返事くれな」

いつもと少し違う声のトーンと真剣な眼差しが
美咲の鼓動を、より大きく高鳴らせた。


“一斗?私の答えは決まってる…でも…"




<ドーーーン>


大きな音が鳴り響く

花火の打ち上げが始まった。