奈緒は美咲の方に身体を向けて心配顔で顔を覗きこんだ。


「美咲?美咲も自分の幸せ
考えたほうが良いよ」


美咲は一瞬、唇を噛んだ。

「奈緒さぁ…拓と桃花のこと言ってる?2人の事は全然関係ないし…」



「あの“事故"は誰のせいでもないよ、桃花だって結局は拓と…
あっ…美咲ゴメン」


「大丈夫だよ、奈緒は気ぃ使いすぎだし」



“本当は…触れられたくない話しもある
あの日のことを私は忘れようとした…
そして少しだけ忘れかけてた…
今の私は、いつも笑っているでしょ?だからもう心配はいらないよ

だけど本当は…"



2人は黙ってトイレを出た。