「美咲は、泣かないって言ったけど、涙には色んな意味があるから泣いても良いんだよ」

「色んな?」



「そう色んな涙、
悲しい涙、悔しい涙、そして嬉しい涙」


「一斗…ホントはね、ホントは」

美咲は目にたくさんの涙をため、それでも我慢していた。


「大丈夫だから」

美咲は、その場で泣き崩れた。

一斗は美咲の全身を包み込み優しく語りかけた。


「俺は少し遠くに行くけど頑張るから、美咲も頑張れるよな?」

「…うん」

美咲は顔を上げ一斗の顔を見つめた。


一斗は向日葵を指差し

「向日葵はパワーをくれる花なんだよ
常に太陽を見続け力を吸収するんだ
そして、そのパワーを回りの物に分け与えているんだ」

美咲は向日葵の花を見上げた。

「今日は美咲に力を与えたかった、そして俺もな」