綾音のペースに合わせ
ゆっくり歩く。

「綾音ちゃん何処か行きたい場所ある?」

一斗はまっすぐ前を向いたまま綾音に声をかけた。

「あの…どこでも…」


一斗が綾音を見たあと
少し悲しい表情になっていった。

“美咲…似ている"

綾音の表情の奥に美咲を見ていた。

「ん…じゃあ取り合えず電車に乗ってみる?」

「あっ…はい!」


一斗は最寄りの駅で終点までの切符を2枚買った。