一斗は綾音を校門の少し手前まで送ってきた。


「私、先輩とゆっくり話せて良かったです
お兄ちゃんの葬儀終わってバタバタしてたから身体がついていかなくて
…でも少し元気が出ました」

「うん」

「私、身体がこんなでしょ…だから友達もまだ居ないし、ましてや彼氏もね」

「綾音ちゃんは可愛いから、すぐに彼氏できるよ」

一斗は綾音の頭をポンポンと置いた。

「そうかなー」

綾音は少し笑って一斗を見上げた。