学校での一斗は、至って普通に過ごすようにしていた。 奈緒の耳にも引っ越しの 話は入ってないようで いつも通りに話しかけてくる。 「一斗、今年も花火大会行くの?」 「あぁ、皆で行こうぜ」 「そうだねー…だけど一斗は浴衣褒めてくれないじゃん!」 「はぁ?去年褒めたじゃん」 「そうだっけ…忘れた」 「ふぅー…」 「一斗、昼休み中庭ね」 奈緒はそう言って友達の元へ行ってしまった。