美咲は俯いたまま…

一斗は自分の涙を拭き美咲の肩を引き寄せ抱きしめた。

美咲はまだ震えていた。

「美咲、大丈夫か?」

美咲は頷いた。

一斗は美咲の身体から少し離れ顔を見ながら

「病院に行くか?」



「行かない、私は知らなかったことにしてあげたい
葵くんの気持ちを大事にしたい
葵くんの中では笑顔でいたいから」

「うん、わかった」

一斗は手紙を美咲に渡した。


「葵らしい手紙だよな」


一斗は立ち上がり手すりに掴まり空を見上げた。

美咲も立ち上がり横に並び空を見上げる。


“私の選択は間違っているのかも知れない
冷たいって思われるかも知れない
でもね
私も貴方の元気だった姿だけを胸に刻みたいから

BYE-BYE葵くん"