30分ほど葵の寝顔を見ていた。

すっかり痩せてしまったが眠った顔を見ていると
今にも起きて元気に話し出すんじゃないか?
と思ってしまう。


瞼が少し動き、葵は静かに目を開けた。

天井を見たまま一斗に気がつかない。


綾音が立ち上がり葵の耳元で葵に話しかけた。


「お兄ちゃん」

「綾音…薬飲んだか?」

「うん…あのね先輩来てくれたよ」


葵はゆっくり一斗の顔を見た。