[402号室/新庄葵]


一斗は部屋の番号の横に書いてある葵の名前を見た。

此処に居るのは、わかっていたのに愕然とした。


小さくノックをして中に入った。

4人部屋の左の奥に眠っている葵がいた。


綾音がパイプ椅子を二脚出し窓際に並べてくれた。


棚のまわりには綺麗な花と
四季折々の写真が飾ってあった。

外に出れない葵は
この写真を見て四季を感じていたのだろうか?

誰にも言わずに孤独だったに違いない。


そう考えると一斗は胸が締め付けられた。