放課後になり、下駄箱の前まで来ると校門を出ていく一斗と、葵の妹の姿が目に入った。 美咲は靴を履き替え一人でゆっくり歩き出した。 歩いても歩いても、家までの距離が遠く感じた。 突然、冷たい物が頬を濡らした。 美咲は、そっと空を見上げた。 “雨だ…" 美咲はコンビニで 一斗に出会った事を思い出していた。 雨が降り始めても 美咲は足早になることもなく、ゆっくり歩き続けた。