「あの、ちょっとだけ話せますか?」

「なに!?」

「あの…此処じゃ話せないんで…」

女子生徒の目は力なく
表情は儚げだった。


「ゴメン、知らない子とは話せない」

「とっても大事な話しなんです、お願いします」


女の子は深々と頭を下げた。

「…」


「あの…新庄葵の妹です!お願いします」


4人は顔を見合わせた。


「もしかして葵の話?」

「はい」

一斗は少し考えて、校舎を繋ぐ渡り廊下を指差した


「わかった、あの渡り廊下で待ってて」


「ありがとうございます」


そう言うと女の子は4人に頭を下げて渡り廊下に向かった。


「ちょっと行ってくるよ」


一斗は美咲の頬に手をあて

「すぐ戻るから心配すんな!」

一斗の言葉に美咲はゆっくり頷いた。