「傷、手当てしなきゃね、取り合えず保健室行こっ」

「俺、今日は学校行かねぇ…美咲は学校行けよ」

「ダメだよ、せめて消毒しないと」

「心配すんな、このくらい」

美咲はディッシュで傷口を軽くおさえた。

「イテッ」

一斗は傷の痛さに思わず顔をそむけてしまう。

「ほら、じゃ私の家に行く?今日は桃花の月一登校でママも居ないから」

「…行っても良いのか?」

一斗は顔が少しほころんだ。

「だって保健室に行かないんでしょ?だったら仕方ないじゃん」

「今日は学校に行きたくない……」

一斗は笑ってみたものの
傷の痛みに顔をひきつらせた。

美咲もつられて痛そうな表情になった。


「大丈夫?、、、じゃ行こっか」


美咲は一斗の肘を支え起こしてあげ
制服の土ぼこりを落とし
マフラーを拾い、汚れをはらい一斗の首に巻いてあげた。

一斗は美咲の頭を撫でて

「美咲は、いつも優しいなっ」

「何言ってんの、歩ける?」

「おぅ」



2人で美咲の家へと
ゆっくり歩き出した。