ライヴの演奏は続き、しばらくして


「なぁ美咲…今から俺ん家来いよ」

「…嫌だ」

“あの家には颯さんが居るから、怖い…"


「兄貴も親父たちも居ないよ兄貴は親父たちとアメリカに行ったよ」

「えっ!?」

「今回は短期間だけど、来年早々にはアメリカに引っ越すんだ」

「一斗は?一斗もアメリカに行っちゃうの?」

「俺は行かない日本に残るよ」

「家族と離ればなれになっちゃうよ!?」

「あぁ、そうだな…」

「一斗…」

「うちの親は俺になんか何の期待もしてないから
あの親たちにとって一番は兄貴だから
親父の会社を継ぐのも兄貴に、もう決まってる」


本当は行ってほしくない
だけど…家族は大事
ホッとした気持ちと寂しい気持ちで、わからなくなる

本当に一斗を好きなら

“そんな事ない、家族は一緒に居ないと…きっと大丈夫!!"

って背中を押すべきだよね!?


でも簡単に言えない自分が
いて、

つくづく私はバカだと思ってしまう。