美咲も葵の姿を見つけた。

美咲は一斗の袖を掴み

「あれ、葵くん……だよね」

「…うん」


バスケ部を辞め
学校までも辞めた葵


葵はツリーを見上げたまま
寂しそうな表情を見せていた。


「一斗…何て声かければ良いのかな…」

「いや、普通に…」



その時、葵は美咲たちに気付いた

一瞬、目をふせたが

ゆっくり顔をあげ美咲の顔を見つめた後


「美咲先輩…」


そう呟き、一緒にいた女の子の肩を抱き人混みの中へ消えてった。


「葵くん…」

「…」


美咲たちの、それぞれに残る胸の想い


“葵くん…一体どうして?何があったの?"




“あの時の美咲への想いは中途半端だった?
その想いは突然消えたのか?"


2人は葵が見上げてたクリスマスツリーを複雑な想いで見続けた。