桃花の様子を見ていた一斗は

「桃花ちゃん…」


と呟き観覧車をただ見送った。


桃花に肘を引かれ
観覧車の出入口の横にあったベンチに座ると
桃花はバッグからノートとペンを取りだし


[手紙読んだ?]

一斗は頷いた。

[良かった、ありがとう]

一斗はノートを指さし

「貸して」

と言って

[桃花!大丈夫、心配するな!]

そう書いて桃花の顔を見た。

桃花の目には涙が溢れていて
その泣き顔すら美咲にソックリで


切なかった。



[一斗くんゴメンね]


[お互い信じようぜ!]


桃花は涙をふきコクンと頷き
観覧車を、いつまでも見上げてた。




“桃花の気持ちは痛いほどわかる
何故こんな事をしたか
こんな試すような事
でもダメだ信じなきゃ
俺は美咲を信じてる
だから大丈夫なんだ"