一斗は葵と美咲が一緒に教室を出たとクラスメイトに聞いて探し回っていた。


渡り廊下で2人を見つけた一斗は息を切らしながら 2人の元へ近付いて来た。


「おい!てめぇ何してんだ」

そう言って美咲の前に立ちはだかった。

「はい、美咲さんに告白しました」

葵はシラッと言ってのけた。

「はっ?何」

「告白、、、」

一斗は耳に手をあて

「って全然聞こえねぇし」

「俺、美咲さんが好きです」

「てめぇ、なに言ってるか
わかってんのかよ」


一斗は葵の胸ぐらを掴み
今にも殴りそうな勢いで
葵を壁に押し付けた。

2人とも決して目を離さない

「一斗やめて!」

美咲は一斗の腕を掴み
身体を引き離し2人の間に入った。


「俺、諦めませんから
絶対に振り向かせてみせます」

「何だと?」

もう一度胸ぐらを掴もうとする一斗を美咲は必死に止めた。


「じゃ俺、行きますね」


美咲に笑顔を向け手を振りながら
去って行った。




「一斗…」

一斗は美咲の顔を見ることもなく低い声で


「美咲、ちょっと来て…」